私自身、転職先を求人サイトで探したときは、求人ページだけでは給与の中身が読み取りにくいと感じました。
似た月給の求人がいくつも並ぶと、どこで見分ければよいのか分からなくなります。この記事は、介護福祉士の資格を持って転職先の求人を比べている現役の介護職員に向けて書いています。
総額ではなく内訳で比べるのは、月給の総額が同じでも、基本給に入る分と手当で付く分では、賞与の計算に入るかどうかが変わる場合があるからです。
下の早見表で4つの観点ごとに見るところを整理し、続く見出しで1つずつ読み方を説明します。
介護福祉士の求人は資格の扱い・給与の内訳・勤務・書面の順に比べる
介護福祉士の求人は、資格の扱い、給与の内訳、施設の種類と勤務条件、採用時の書面の4つの順に比べます。
筆者の見解として、どの観点も、求人票で分かること、面接や職場見学で聞くこと、内定後の書面で確かめることの3段階に分けると、確かめ漏れが減ると考えています。
4つの観点ごとに、どの段階で何を見れば判断できるかを並べました。
| 比べる観点 | 求人票で分かること | 面接・見学で聞くこと | 内定後の書面で確かめること |
|---|---|---|---|
| 資格の扱い | ・応募資格の欄の書き方 ・資格手当の記載の有無 | ・資格手当の対象と支給の条件 ・介護福祉士として任される役割 | ・賃金の欄にある資格手当の記載 |
| 給与の内訳 | ・基本給と手当の分け方 ・賞与と昇給の欄 | ・処遇改善の手当の支給のしかた ・賞与の計算のしかた | ・基本給と各手当の額 ・賞与の定め |
| 施設の種類と勤務条件 | ・サービスの種類 ・雇用形態と勤務時間 | ・夜勤の回数と手当 ・休日の取り方 | ・就業場所と業務の変更の範囲 ・契約期間と更新の基準 |
| 書面 | ・求人票の条件全体 | ・回答のメモ | ・求人票と面接の回答との違い |
筆者の見解として、処遇改善加算の区分の上下や手当の有無そのものより、給与の内訳と配分を職員に説明してくれるかを見るほうが、自分の手取りを判断する助けになると考えています。
同じ額でも、基本給に入るのか手当で付くのかで意味が違うからです。
介護福祉士の求人を探して比べる候補を集める
候補は、希望条件を仕事内容・勤務・休日・給与の4つに分けて書き出してから、地域・雇用形態・勤務帯で絞り込んで集めます。
筆者の見解として、求人サイト、ハローワーク、転職エージェントのどれで探しても、求人票で分からない条件を面接と採用時の書面で確かめる点は同じだと考えています。
- 希望条件を仕事内容・勤務・休日・給与に分けて書き出す
- 地域・雇用形態・勤務帯で求人を絞り込む
- 残った求人を応募候補として控える
検索を始める先の一つとして、厚生労働省のハローワークインターネットサービスでは、全国のハローワークの求人を登録せずに検索できます。探し方ごとに、求人票で分かることと、その後に確かめることを比べた表です。
| 探し方 | 探し方の特徴 | 求人票で分かること | 面接と書面で確かめること |
|---|---|---|---|
| 求人サイト | ・地域や条件で絞り込む ・自分で応募する | ・給与・休日・勤務形態などの概要 | ・基本給と手当の内訳 ・残業・シフト・職場の雰囲気 |
| ハローワーク | ・インターネットサービスで検索できる ・窓口で求人の詳細を代わりに確かめてもらえる | ・求人票の各欄 ・賞与と昇給は前年度の実績 | ・求人票で分からない条件 ・採用時の書面の条件 |
| 転職エージェント | ・各サービスの公式の案内で確かめる | ・紹介された求人の求人票 | ・紹介された求人の条件 ・採用時の書面の条件 |
候補が集まったら、次の資格・給与・勤務条件の見出しで1件ずつ読み比べます。
介護福祉士の筆者は求人サイトで地域と条件を絞り込み、残業やシフトは面接と見学で確かめた
私は2018年の転職で、求人サイトを使って自分で求人を探しました。地域や条件で絞り込んで、気になる求人は給与・休日・勤務形態などを見比べました。応募も求人サイトから自分で行い、そこから転職先が決まりました。
求人サイトは、自分のペースで探せました。一方で求人の数が多く、自分の条件に合うものへ絞り込むのは少し手間でした。
給与については、基本給と手当の内訳が求人ページだけでは分かりにくいと感じました。残業やシフト、職場の雰囲気も、求人ページでは分からない部分でした。そこは面接や職場見学で確かめました。
転職エージェントを使うなら、公式の説明と口コミを分けて検討する
筆者の見解として、転職エージェントや求人サイトを選ぶときは、公式に書かれたサービスの条件と口コミを分けて考え、条件の分からない口コミだけでサービス全体を評価しないようにしたいところです。
口コミの中には、書いた人の地域や探していた求人の条件が分からないものもあり、その人に合わなかった理由が自分にも当てはまるとは限らないからです。
どのサービスを使う場合も、紹介された求人の条件は、自分で面接と採用時の書面で確かめます。紹介を受けても、求人票の空欄が自動で埋まるわけではないからです。
求人票で介護福祉士の資格がどう扱われているかを見分ける
資格を持っていることが応募の条件なのか、評価や手当の対象なのかは、求人票の応募資格の欄と賃金・手当の欄を両方見ないと分かりません。
「資格必須」などの表記の読み方と、サービス提供責任者のように資格が配置の要件になる職種を扱います。
「資格必須」と「資格歓迎」は資格欄と賃金欄をあわせて読む
「資格必須」「資格歓迎」「資格不問」は求人ごとの表記で、法令で決まった区分ではありません。どの表記でも、それだけでは資格手当の対象になるか、任される役割が変わるかは決まらないため、同じ求人の応募資格の欄と賃金・手当の欄を見比べます。
表記ごとに、求人票のどこで何を見て、面接で何を聞くかをまとめました。
| 表記 | 応募資格欄で分かること | 賃金・手当欄で確かめること | 面接で聞くこと |
|---|---|---|---|
| 資格必須 | ・求める資格が応募の条件 | ・資格手当の記載の有無 ・資格手当の額 | ・資格手当の支給の条件 ・任される役割 |
| 資格歓迎 | ・資格がなくても応募できる | ・資格手当の記載の有無 ・資格の有無で給与が変わるか | ・資格手当の対象になるか ・資格者に任せる業務 |
| 資格不問 | ・資格の有無を問わない | ・資格手当の記載の有無 | ・資格手当の対象になるか ・資格が評価に入るか |
サービス提供責任者など資格が要件になる職種の条件
訪問介護のサービス提供責任者は、国の運営基準で資格の要件が決まっている職種で、介護福祉士はその要件を満たす資格の一つです。
一方、通所介護などの生活相談員は、資格の要件の具体的な取扱いを自治体が定めている例があります。
東京都が通所介護と短期入所生活介護の事業所に向けて出した通知では、社会福祉法に定める要件に当たる人と同等以上の能力がある人の一つとして、対象の事業所で利用者の処遇に直接関わる職種での介護の実務経験が通算1年以上(勤務日数180日以上)ある介護福祉士を挙げています。
同じ東京都内でも、世田谷区は地域密着型通所介護と認知症対応型通所介護の事業所について区の通知で定めており、自治体と事業所の種類で基準の出どころが分かれます。
資格が要件の職種なら、任される業務の範囲と手当の有無も面接で聞いておきたいところです。
給与は基本給・資格手当・処遇改善の手当に分けて比べる
給与は月給の総額だけでなく、基本給、資格手当、処遇改善の手当、賞与と昇給の欄に分けて比べます。早見表の見解で触れたとおり、筆者は内訳を見ないまま総額だけで比べないことを勧めます。
資格手当が基本給に入るのか手当で付くのか
名称が手当でも、働いた対価として支払われるものは労働基準法上の賃金です。「労働基準法」は、賃金・給料・手当・賞与など名称を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものを賃金と定めています。
残業代や深夜の割増賃金の計算の元から外せる賃金は、法律と施行規則で限られています。家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7つです。
一方、賞与の計算方法は労働基準法には定めがなく、職場の就業規則などで決まります。賞与を基本給をもとに計算する職場では、手当で付く分が賞与に反映されない場合があります。
基本給に含まれる場合と、資格手当として別に付く場合で、何を見ればよいかを比べました。
| 支給のされ方 | 残業代の計算の元 | 賞与への反映は何で決まるか | 確かめる書類 |
|---|---|---|---|
| 基本給に含まれる | ・外せる賃金は家族手当・通勤手当・住宅手当など7つに限られる | ・就業規則などの賞与の定め | ・労働条件通知書の賃金の欄 ・就業規則 |
| 資格手当として別に付く | ・外せる賃金は家族手当・通勤手当・住宅手当など7つに限られる ・計算の元への入れ方は職場に聞く | ・就業規則などの賞与の定め | ・労働条件通知書の手当の欄 ・就業規則の賞与の定め |
面接か内定後の書面で、賞与の計算方法と資格手当の扱いを確かめておきます。就業規則は、内定後に見せてもらえるかを面接の段階で聞いておくと、書面と照らしやすくなります。
ハローワークの求人票の賞与と昇給の欄は、入職後の約束ではなく過去の実績として読む
ハローワークの求人票の賞与と昇給の欄は、前年度の実績です。ハローワークインターネットサービスの「求人情報の見方」でも、採用後の待遇を約束するものではないと説明されています。
そのため、記載された賞与や昇給を入職後の額として読まず、算定の方法と直近の支給状況を面接で聞きます。「賞与は何をもとに計算していますか」「昨年度は実際にどう支給されましたか」と聞くと、求人ごとの答えを比べやすくなります。
民間の求人サイトの表記が同じ意味とは限りません。書き方が分からなければ、面接で同じ質問をするのが近道です。
処遇改善加算は事業所の区分の上下より、自分の給与への分け方を説明してくれるかで見る
筆者の見解として、転職先を見るときは、処遇改善加算の区分が上かどうかよりも、配分について職員に説明する姿勢があるかを見るほうが役に立ちます。加算があるかどうかと、自分の手取りがどう変わるかは別の話だからです。
面接では「処遇改善加算の分は、基本給と手当のどちらで支給していますか」「配分の方法を職員に説明する機会はありますか」と聞きます。制度の仕組みから知りたい人は、次の記事へ進んでください。
処遇改善加算は給料にどう反映されるのか|介護福祉士が制度と現場から解説
施設の種類と勤務条件は、求人票の記載を面接で確認する
施設の種類・雇用形態・勤務帯・休日は、求人票の表記だけでは実際の勤務が分からないことがある項目です。求人票の欄で分かることと、勤務表の例を見せてもらって分かることを分けて確かめます。
同じ種類の施設でも、勤務の組み方は事業所ごとに決まります。サービスの種類、雇用形態、夜勤、休日の順に取り上げます。
施設の種類ごとのサービスの時間帯と仕事の中身
サービスの時間帯は施設の種類の名前だけでは決まらず、事業所ごとに定められています。
訪問介護や通所介護の事業所は、営業日と営業時間を運営規程に定めることが、厚生労働省令の「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」で決まっています。
応募先の営業時間と定休日は、厚生労働省の介護サービス情報公表システムの事業所のページで見られます。
求人票に書かれたサービスの種類から、どんな形の勤務になるかをつかむための表です。
| サービスの区分 | 主なサービスの例 | 利用者と関わる場面 | 求人票と面接で確かめること |
|---|---|---|---|
| 自宅に訪問 | ・訪問介護(ホームヘルプ) ・訪問入浴介護 ・夜間対応型訪問介護 | ・利用者の自宅を訪ねて提供する | ・勤務の時間帯と夜勤の有無 ・業務の分担 |
| 施設に通う | ・通所介護(デイサービス) ・通所リハビリテーション(デイケア) ・認知症対応型通所介護 | ・利用者が事業所に通ってくる間に提供する | ・営業時間と勤務の時間帯 ・業務の分担 |
| 施設等で生活 | ・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) ・介護老人保健施設(老健) ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | ・利用者が暮らす場で生活を支える | ・勤務の時間帯と夜勤の有無 ・業務の分担 |
区分には、ほかに訪問・通い・宿泊を組み合わせるサービスや、短期間の宿泊のサービスもあります。夜勤の有無や業務の分担は区分の名前からは決まらないため、応募先の求人票と面接で確かめます。
雇用形態ごとに契約期間と更新条件を確かめる
雇用形態がどれでも、契約期間の定めがあるかどうかと、期間がある場合の更新の基準を採用時の書面で確かめます。
厚生労働省によると、2024年4月からは、有期の労働契約を結ぶときと更新するときに、更新の上限(通算の契約期間や更新回数の上限)の有無と内容を明示することになりました。
派遣については、ハローワークの「求人情報の見方」が、期間を定めて雇用される「有期雇用派遣」と、期間を定めないで雇用される「無期雇用派遣」を分けて表示しています。
雇用形態ごとに、契約期間をどの書類で確かめ、ほかに何を読めばよいかをまとめました。
| 雇用形態 | 契約期間の定め | 更新の基準を確かめる書類 | 関連する見出しや記事 |
|---|---|---|---|
| 正社員 | ・期間の定めの有無を書面で見る | ・労働条件通知書 | ・内定後の書面の見出し |
| 契約社員・パート | ・期間の定めのある契約かを書面で見る | ・労働条件通知書の更新の基準と更新上限 | ・内定後の書面の見出し |
| 派遣 | ・有期雇用派遣か無期雇用派遣かを見る | ・雇用契約の書面の更新の基準と更新上限 | ・介護の派遣で働く前に|契約・業務・更新の確認 |
パートや契約社員に資格手当が付くかどうかは、よくある質問で扱います。
夜勤は月の回数、職場ごとの夜勤手当、法律で決まる深夜の割増賃金を分けて聞く
労働基準法には「夜勤手当」という手当の定めはなく、法律が定めているのは深夜に働いた時間の割増賃金です。深夜に働かせた時間については、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を払うことになっています。
求人票の「夜勤あり」「夜勤専従」の表記だけでは、月の夜勤回数、夜勤手当の額、深夜の割増賃金の扱いは分かりません。面接では、次の3つを分けて聞きます。
- 月に何回夜勤に入るか
- 夜勤手当は1回あたりいくらか
- 深夜の割増賃金は夜勤手当に含まれているか、別に支払われるか
年間休日・希望休・連休の取り方は勤務表の例で確認する
年間休日の数だけでは、休みの取りやすさは分かりません。休日がシフト制か固定か、希望休の出し方、連休の取り方を面接で聞き、勤務表の例を見せてもらって確かめます。
- 休日はシフト制か、曜日で固定か
- 希望休はいつまでに何日まで出せるか
- 連休はどのくらいの間隔で取れているか
勤務表には職員の名前が入っているので、名前を伏せた例を見せてもらえるかという聞き方にすると頼みやすくなります。
応募から内定までに面接・見学・書面で確認すること
応募から内定までの確認は、面接と見学で求人票の空欄を埋める段階と、内定後に労働条件通知書で同じ項目を照らす段階の2つに分かれます。
面接と職場見学の質問は求人票の空欄から作る
面接と職場見学で聞く質問は、求人票の空欄から作ります。
求人票の空欄を、面接や見学でそのまま使える質問に置き換えた例です。
| 区分 | 求人票の空欄の例 | 面接・見学で聞く質問 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | ・介護福祉士として任される役割 ・委員会や記録の担当 ・教育体制 | ・リーダーや新人の指導を任される予定はあるか ・委員会や記録はどこまで担当するか ・研修や資格取得支援の対象と費用負担、受講時間は勤務扱いか |
| 勤務 | ・夜勤の回数 ・残業の実態 | ・月の夜勤は何回か ・残業はどのくらいあるか |
| 休日 | ・希望休の出し方 | ・希望休はいつまでに何日まで出せるか |
| 給与 | ・資格手当の対象と条件 ・処遇改善の手当の支給のしかた | ・資格手当は誰に、どんな条件で付くか ・処遇改善の手当は基本給と手当のどちらで支給するか |
聞いた回答はその場でメモに残し、内定後に届く書面と照らします。見学では、職場の雰囲気のように求人票に書けない部分を見ておきます。
内定後は労働条件通知書を求人票と面接の回答に照らす
内定後は、届いた労働条件通知書などの書面を、求人票と面接の回答に同じ項目で照らします。「労働基準法」は、使用者が労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています。
厚生労働省によると、2024年4月からは、すべての労働契約を結ぶときに、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示することになりました。変更の範囲とは、将来の配置転換などで変わり得る就業場所や業務の範囲のことです。
ハローワークの「求人情報の見方」も、求人票は雇用契約書ではないとして、採用時に書面で労働条件の明示を受けるよう呼びかけています。求人票・面接のメモ・労働条件通知書の3つを、同じ項目で並べた照合表です。
| 照らす項目 | 求人票 | 面接の回答 | 労働条件通知書 |
|---|---|---|---|
| 仕事内容と業務の変更の範囲 | ・仕事内容の欄 | ・任される役割のメモ | ・業務の内容と変更の範囲 |
| 就業場所 | ・就業場所の欄 | ・異動の可能性のメモ | ・就業場所と変更の範囲 |
| 勤務時間と休日 | ・就業時間と休日の欄 | ・夜勤の回数や希望休のメモ | ・始業と終業の時刻、休日 |
| 賃金の内訳 | ・基本給と手当の欄 | ・資格手当や処遇改善の手当のメモ | ・基本給と各手当の額 |
| 契約期間と更新 | ・雇用形態と契約期間の欄 | ・更新についての回答のメモ | ・契約期間と更新の基準・上限 |
求人票と実際の条件が違うときの相談先
ハローワークの求人で、求人票の内容と実際の労働条件が違う場合は、最寄りのハローワークか、厚生労働省の「ハローワーク求人ホットライン」に申し出られます。ホットラインは求職者と就業者のための窓口です。
労働条件全般には、厚生労働省が案内する公的な相談窓口があります。賃金や労働時間の法令違反などは労働基準監督署、法令に直接違反しない労働条件の変更や、どの分野か分からない労働問題は総合労働相談コーナーが窓口です。
総合労働相談コーナーは各都道府県労働局や労働基準監督署内などにあり、予約不要・無料で、面談か電話で相談できます。
相談の前に、求人票、面接のメモ、労働条件通知書を手元にそろえておくと、何が違うのかを伝えやすくなります。この記事の内容は法的な判断の代わりにはならないため、個別の事情は窓口で相談してください。
よくある質問
前半で扱いきれなかった、資格の登録、給与の統計、雇用形態と手当、現場以外の求人についての質問に短く答えます。
介護福祉士の資格は、更新しないと応募のときに使えなくなりますか?
いいえ、国家試験の合格などで登録した人は、登録事項に変更がなければ更新の手続きは要らないと、指定登録機関の社会福祉振興・試験センターが案内しています。ただし、平成29年4月から令和14年3月までに介護福祉士養成施設を卒業し、経過措置で登録した人には5年の登録の有効期限があり、期限を外す条件は卒業した時期で異なります。令和9年3月までの卒業者は、国家試験に合格するか、5年間の介護等の業務に従事した届出をすることで期限を外せます。
氏名や本籍の都道府県が変わったときは、登録事項の変更の届出が要ります。応募のときに登録証の写しを求められる場合もあるため、登録証の記載が今の氏名と合っているかを手元で見ておきます。
施設の種類によって介護職員の平均給与は違いますか?
はい、厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」では、サービスの種類によって介護職員の平均給与額に差があります。ただしこれは介護福祉士に限らない介護職員の値で、処遇改善加算を取得している事業所の、月給で常勤の人の平均です。
サービスの種類ごとの平均給与額を、令和6年9月の値で並べました。
| サービスの種類 | 介護職員の平均給与額(令和6年9月) |
|---|---|
| 全体 | 338,200円 |
| 介護老人福祉施設 | 361,860円 |
| 介護老人保健施設 | 352,900円 |
| 介護医療院 | 330,030円 |
| 訪問介護 | 349,740円 |
| 通所介護 | 294,440円 |
| 通所リハビリテーション | 319,310円 |
| 特定施設入居者生活介護 | 361,000円 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 305,220円 |
| 認知症対応型共同生活介護 | 302,010円 |
平均給与額は基本給に手当と一時金を加えた額で、令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍していた人の値です。通所介護には地域密着型通所介護も含まれます。応募する求人の給与とは別の数字なので、気になる施設の種類の求人は、給与の内訳で比べます。
パートや契約社員でも資格手当は付きますか?
場合によります。資格手当が付くか、いくら付くかは求人ごとの賃金の定めで決まるため、求人票の賃金・手当の欄と採用時の書面で、支給の有無と額を見ます。
そのうえで「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」は、パートや有期雇用の人の基本給や賞与などの待遇について、通常の労働者との間に不合理な差を設けることを禁じています。ただし厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインに資格手当を名指しした記載はなく、差が不合理かどうかは職務の内容や配置の変更の範囲などに照らして、手当ごとに判断されます。
介護の現場以外の求人でも、介護福祉士の資格を応募資格として活かせますか?
はい、職種によっては活かせます。例えば通所介護などの生活相談員は、自治体の基準で、一定の介護の実務経験がある介護福祉士を対象に含めている例があります。
東京都や世田谷区の通知では、対象の事業所で利用者の処遇に直接関わる職種での介護の実務経験が通算1年以上ある介護福祉士を、生活相談員の要件に当たる人と同等以上の能力がある人の一つとして挙げています。資格だけで足りるかは職種と自治体ごとに違うため、求人票の応募資格の欄で、実務経験の条件まで読みます。
介護福祉士の資格があると給料はどのくらい違いますか?
平均では差がありますが、資格だけによる差ではありません。厚生労働省の同じ調査の保有資格別の集計では、介護福祉士を持つ介護職員の平均給与額は、資格を持たない介護職員より高い一方、平均勤続年数にも差があります。
保有資格別の平均給与額と平均勤続年数を、令和6年9月の値で並べました。
| 保有資格 | 平均給与額(令和6年9月) | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 全体 | 338,200円 | 9.5年 |
| 介護福祉士 | 350,050円 | 10.4年 |
| 実務者研修 | 327,260円 | 6.9年 |
| 介護職員初任者研修 | 324,830円 | 8.8年 |
| 保有資格なし | 290,620円 | 5.8年 |
保有資格は複数回答のため、介護福祉士の行にはほかの資格も持つ人が含まれます。実務者研修には介護職員基礎研修とヘルパー1級、介護職員初任者研修にはヘルパー2級も含まれます。この差は資格手当の相場を示す数字ではないので、応募先の資格手当の額は、求人票の賃金・手当の欄と面接で確かめます。
まとめ|応募前に給与の内訳を比べ、内定後に採用時の書面を確かめる
介護福祉士の求人は、応募の前に給与の内訳と勤務条件を求人票と面接で埋め、内定の後に採用時の書面で照らすと、判断の材料がそろいます。候補の求人ごとに、次の順で進めます。
- 求人票で分かった条件と分からない条件を書き出す
- 分からない条件を、面接と職場見学の質問にする
- 聞いた回答をメモに残す
- 内定後、労働条件通知書を求人票と面接の回答に照らす
