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介護転職

介護職の転職ガイド|求人の探し方と給与・勤務の確かめ方

執筆・監修:(運営者・介護福祉士)
介護職の転職ガイド。求人の探し方と給与・勤務の確かめ方。介護の現場録。

今の職場への不満を誰にも言えないまま、仕事の合間に求人の月給だけを見比べている人もいると思います。この記事は、今の職場から介護職として次の職場へ移りたい、現役の介護職員に向けて書いています。

先に結論を言うと、求人を探す前に、転職で変えたい条件を給与・夜勤やシフト・休日・仕事内容・職場の雰囲気に分けて書き出すことです。

そのうえで条件ごとに、求人票・面接や見学・採用時の書面のどこで確かめるかを決めておきます。給与は総額だけで比べず、基本給と手当の内訳と、処遇改善加算の分がどの形で支給されるかを入職前に聞いておきます。

探し方は、自分で検索して応募する求人サイト、担当者に相談しながら進める転職エージェント、国の窓口のハローワークで進め方が違います。最初の見出しにある早見表と、後半の「条件の整理から退職を伝えて入職するまでの全体の流れ」から読むと、やることの順番がつかめます。

介護職の転職は「何を変えたいか」を決めるところから始める

筆者の見解として、求人を見る前に、転職で変えたい条件を先に決めておくことを勧めます。変えたい条件が決まっていないと、求人ごとに目立つ条件(月給や休日の数)に目が行き、比べる軸が求人ごとに変わってしまうからです。

私が勧めるのは、仕事内容・勤務・休日・給与を分けて書き出し、求人票・面接の回答・採用時の書面を同じ項目で比べる方法です。項目をそろえておけば、どの書類で何が食い違っているかがすぐに分かります。

まずは下の2つの見出しで、変えたい条件を書き出し、条件ごとに確かめる場所を決めます。

給与・夜勤・休日・仕事内容を分けて書き出す

今の職場の不満と次の職場への希望を、次の5つの項目に分けて書きます。

  • 給与
  • 夜勤やシフト
  • 休日
  • 仕事内容
  • 職場の雰囲気

1つの不満に、いくつかの条件が混ざっていることがあります。例えば「人手が足りず休みが取れない」という不満は、勤務の組み方と休日の取り方に分けて書きます。分けておくと、求人票のどの欄を見ればよいかがはっきりします。

書き出した条件の中に、今の職場で異動や勤務の変更を相談すれば変えられそうなものはありますか。転職するかどうかを決める前に、その問いも一度自分に向けてみてください。

給与・勤務・休日を求人票・面接・採用時の書面のどこで見るか

給与は求人票で基本給と手当の欄を分けて読み、面接で処遇改善加算の分の支給の形を聞き、採用時の書面で同じ内容かを比べます。

夜勤・シフトと休日は、求人票の勤務時間と休日の欄を見たうえで、面接と見学で勤務表の実際を聞きます。職場の雰囲気は求人票だけでは分かりにくいので、見学のときに職場の様子を見ます。

次の表は、条件ごとにどの書類・どの場面で何を見るかを決めるための早見表です。私が勧める確かめ方の枠組みで、見る場所が決まれば、次に読む見出しも決まります。

スクロールできます
変えたい条件求人票で見ること面接・見学で聞くこと・見ること採用時の書面で確かめること詳しく読む見出し・関連記事
給与・基本給の欄
・手当の欄
・賞与と昇給の欄
・手当の内訳
・処遇改善加算の分の支給の形
・賞与の計算方法
・求人票と面接の回答と比べる・給与の内訳の比べ方(後半)
夜勤・シフト・勤務時間の欄
・夜勤の有無
・夜勤の回数
・勤務表の組み方
・求人票と面接の回答と比べる・夜勤・シフト・休日の見分け方(後半)
休日・休日の欄・固定休か希望休か
・土日に休める回数
・求人票と面接の回答と比べる・夜勤・シフト・休日の見分け方(後半)
仕事内容・仕事内容の欄・担当する業務の範囲・求人票と面接の回答と比べる・採用時の書面の照らし合わせ(後半)
職場の雰囲気―・見学で職場の様子を見る―・筆者の体験談(後半)
※「―」はその書類では確かめられない項目

採用時の書面と求人票がどう違うかは、後半の「内定後に採用時の書面(労働条件通知書・雇用契約書)を求人票・面接の回答と照らし合わせる」で説明します。

求人サイト・転職エージェント・ハローワークでの探し方

求人の探し方は、自分で検索して応募する求人サイト、担当者に相談しながら探す転職エージェント、国の窓口であるハローワークで進め方が違います。自分のペースで探したいか、相談しながら進めたいかで選びます。

3つの探し方を、求人の探し方・応募の仕方・相談できるかで比べた表です。自分に合う進め方を選ぶときの目安にしてください。

探し方求人の探し方応募の仕方相談できるか
求人サイト・地域や職種、雇用形態などの条件で自分で検索する・サイトから事業所へ自分で応募する・自分で判断して進める
・紹介サポートを選べるサイトもある
転職エージェント・担当者が希望を聞き、条件に合う求人を紹介する・面接の対策や入社日の調整などを担当者が支援する・担当者に相談しながら進める
ハローワーク・窓口、庁内のパソコン、インターネットで探す・紹介状を発行してもらって応募する
・求人によってはオンラインで直接応募もできる
・専門の職員に職業相談ができる
※2026年10月時点での公式サイト参照

ハローワークの求人は、ハローワークインターネットサービスで登録せずに検索できます。

使う探し方を決めたら、その探し方の求人検索で、地域と勤務条件から求人を探し始めます。

求人サイトでは譲れない条件から絞り込んで応募先を選ぶ

求人サイトでは、地域や勤務の条件を検索で指定して候補を絞ってから、残った求人を比べます。私が勧めるのは、候補に残った求人を、仕事内容・勤務・休日・給与の同じ項目で並べてから応募先を選ぶことです。

項目をそろえて並べると、月給の総額の違いだけで応募先を決めてしまうことを防げます。求人票で読み取れなかった項目は空けたままにしておき、面接で聞く項目に回します。

私が実際に求人サイトで絞り込んで応募したときの様子は、後半の体験談の見出しで書きます。

転職エージェントは担当者に相談しながら探す

転職エージェント(紹介型の転職支援サービス)には、求職者向けに無料の転職支援を案内しているものがあります。例えばレバウェル介護は、求人の紹介、面接対策、給与や労働条件の交渉を転職アドバイザーが担い、すべて無料で受けられると公式サイトで案内しています。(出典:レバウェル「転職アドバイザーについて」(2026年10月12日確認))

求職者は無料で使え、採用する側から支払われる報酬で運営していると説明するサービスもあります。求人サイトの中には、直接応募するか紹介のサポートを受けるかを選べるものがあり、サポートを選ぶと雇用条件の交渉や入社日の調整まで担当すると説明しています。

支援の内容と、登録時に入力する情報の扱いはサービスごとに違います。登録する前に、そのサービスの公式サイトにあるよくある質問とプライバシーポリシーで、利用の条件と個人情報の扱いを見ておきます。

登録したら転職しなければいけないか、連絡が多いときにどうするかは、よくある質問で答えます。

ハローワークは公的な窓口で求人を探す

ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する職業紹介の窓口です。厚生労働省の案内によると、全国に500か所を超えるハローワークがあり、サービスは無料で受けられます(出典:厚生労働省「ハローワーク」(2026年10月12日確認))。

求人は窓口や庁内のパソコンのほか、ハローワークインターネットサービスで全国の求人を検索できます。窓口から応募するときは、ハローワークが面接の日程を調整したうえで紹介状を発行します。

求職者マイページを開いてハローワークで職業相談をしている人は、オンラインで職業紹介を受けられます。希望しても対応できない場合があり、インターネットで求職登録をしただけでハローワークで相談をしていない人は対象外です(出典:ハローワークインターネットサービス「オンラインハローワーク紹介」(2026年10月12日確認))。

窓口では、専門の職員によるキャリアの相談や、応募書類・面接のアドバイスが受けられます。求人の内容をもっと詳しく知りたいときなど、事業所に直接は聞きにくいことを代わりに聞いてもらうこともできます。

ハローワークインターネットサービスは、求人情報の見方も公開しています。ハローワークの求人票では、昇給と賞与の欄は前年度の実績で、採用後の待遇を約束するものではありません。

ほかのサービスの求人でも、賞与や昇給の欄が実績なのか約束なのかを面接で聞いておきます。

給与は総額ではなく基本給・手当・賞与の内訳で比べる

求人の月給の総額が同じでも、基本給に入る分と手当で付く分の割合によって、残業代や賞与への響き方が変わることがあります。そのため、給与は総額ではなく内訳で比べます。

筆者の見解では、処遇改善加算を取っているかどうかや加算の区分よりも、加算の分が基本給と手当のどちらで支給されるか、配分について説明があるかを見るほうが、自分の手取りを判断する助けになります。

全国の平均額が上がっても、自分の手取りが同じように上がるとは限らない、と私は考えています。

ここからは、下の見出しの順に、求人票の給与欄の読み方、残業代と賞与の聞き方、処遇改善加算の決まり、施設の種類ごとの平均給与を見ていきます。

求人票の給与欄は基本給と手当を分けて読む

求人票の給与欄は、基本給・手当・賞与・昇給を分けて読みます。

労働基準法第11条は、賃金を「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定めており、名前が手当でも働いた対価なら賃金に含まれます。

ハローワークインターネットサービスの求人情報の見方では、賃金の欄は税込みの金額で、社会保険料などが引かれるので手取りは少なくなると説明しています。昇給と賞与の欄は、ハローワークの求人票では前年度の実績を載せる欄です。

求人票の給与欄を、欄ごとに読むときの注意と面接で聞くことに分けた表です。面接の前に、聞く項目をここから選んでおきます。

欄読むときの注意面接で聞くこと
基本給・税込みの額で、手取りはここから社会保険料などが引かれる・賞与の計算に使われる額か
手当・名前が手当でも、働いた対価なら賃金に含まれる・毎月決まって出る手当はどれか
・処遇改善加算の分が含まれるか
・月給に残業代が含まれているか
賞与・ハローワークの求人では前年度の実績で、採用後の支給の約束ではない・計算のもとになる額
・支給の時期
昇給・ハローワークの求人では前年度の実績で、採用後の昇給の約束ではない・昇給の決まり方
出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」、労働基準法第11条

月給に残業代が含まれている場合は、何時間分がいくら含まれているかもあわせて面接で聞きます。

残業代は手当の種類、賞与は事業所の計算方法を確かめる

残業代(割増賃金)の計算の基礎から外してよい賃金は、法律と省令で決められています。労働基準法第37条第5項と労働基準法施行規則第21条が挙げているのは、次の7種類です。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

法律と省令が挙げるのはこの7種類で、それ以外の賃金は計算の基礎に入るのが原則です。手当の名前だけで判断せず、どの手当が残業代の計算に含まれるかを面接で聞いておきます。

賞与は、どの額をもとに計算するかが事業所の決まりによって違います。手当の割合が大きい求人では、賞与が基本給だけをもとに計算されるのか、手当も含めて計算されるのかを、面接か採用時の書面で見ておきます。

国の処遇改善加算の要件で決まっている給与への充て方

処遇改善に関する加算は、令和6年6月から、それまでの3つの加算が介護職員等処遇改善加算に一本化されました。

一本化の際の厚生労働省のリーフレットでは、算定の要件はキャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件の3つと説明されています。(出典:厚生労働省リーフレット「『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります」 p.1(2026年10月12日確認))

令和8年度の厚生労働省の通知では、月額賃金改善要件として、処遇改善加算Ⅳに当たる加算額の2分の1以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当の改善に充てることが求められています(出典:厚生労働省老健局長通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日、老発0313第6号)記3⑴①、p.4〜5(2026年10月12日確認))。

同じ通知は、賃金の改善は基本給・手当・賞与などのうち対象の項目を決めて行うものとし、基本給による改善が望ましいとしています。令和8年度の改定では、加算の対象が介護職員から介護従事者へ広げられました(出典:同通知 前文p.1、記2、p.3)。

同じ通知は、加算を取る事業所に、賃金改善の方法などを処遇改善計画書を用いるなどして職員に周知し、職員から問い合わせがあれば、その職員の賃金改善の内容を書面などで分かりやすく答えるよう努めることを示しています(出典:同通知 記8⑴、p.16)。

加算の要件は改定されることがあります。令和8年度は、4月・5月分と6月以降の分で区分や要件が分かれています。最新の内容は、厚生労働省が公表している通知や案内で確かめてください。

計画書の周知と、自分の分がどの形で支給されるかの説明は、別々に聞く必要があります。

自分の分が基本給と手当のどちらで支給されるかは、入職前に聞く項目として、後半の「処遇改善加算の分が基本給と手当のどちらで支給されるかは入職前に聞いておく」で扱います。

施設の種類によって平均給与に差がある

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取っている事業所の介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額が、サービスの種類ごとに示されています。

施設の種類を選ぶ材料の1つとして、次の表で差を見てください。

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サービスの種類令和6年9月の平均給与額令和5年9月との差
全体338,200円13,960円
介護老人福祉施設361,860円14,890円
介護老人保健施設352,900円14,390円
介護医療院330,030円15,710円
訪問介護349,740円16,930円
通所介護294,440円10,870円
通所リハビリテーション319,310円11,480円
特定施設入居者生活介護361,000円15,300円
小規模多機能型居宅介護305,220円10,470円
認知症対応型共同生活介護302,010円11,820円
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」

この平均給与額は、基本給(月額)に手当と一時金(4〜9月に支給された額の6分の1)を足した額で、手取りではありません。令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍していた人の比較で、通所介護には地域密着型通所介護を含みます。

全国の平均なので、自分が応募する事業所の給与を示すものではありません。施設の種類はこの表で大まかに見て、個別の求人は給与の内訳で比べます。

夜勤・シフト・休日は施設の種類と個別の勤務表で見分ける

夜勤があるかどうかは、まず施設の種類で大まかに分かれます。ただし、夜勤の回数・シフトの組み方・休日の取り方は、同じ種類の施設でも事業所ごとに違うので、個別の求人票と勤務表で見分けます。

筆者の見解として、勤務と休日は給与と分けて、求人票・面接の回答・採用時の書面の3つで比べることを勧めます。

夜勤がある施設とない施設の違い

特養・老健・グループホームのような入所・入居の施設には、国の基準で夜勤を行う職員の数が決められています。デイサービスの事業所でも、夜間に宿泊サービスを行う場合は、夜勤の職員を置くこととされています。

施設・サービスの種類ごとに、夜間の職員配置の決まりと、応募するときに確かめる点を並べた表です。自分が夜勤のある働き方を選ぶかどうかを考えるときに使います。

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施設・サービスの種類夜間の職員配置の決まり応募するときに確かめる点
介護老人福祉施設(特養)・入所者の数に応じて、夜勤を行う介護職員または看護職員の数が決められている・自分が夜勤に入るか
・夜勤の回数
介護老人保健施設(老健)・夜勤を行う看護職員または介護職員の数が決められている・自分が夜勤に入るか
・夜勤の回数
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・原則として、共同生活住居ごとに夜間と深夜の勤務を行う介護従業者を1人以上置く・自分が夜勤に入るか
・夜勤の回数
通所介護(デイサービス)・宿泊サービスを行う場合は、その時間帯を通じて夜勤の介護職員または看護職員を常時1人以上置くこととされている・宿泊サービスの有無
・自分が宿泊の時間帯の勤務に入るか
出典:厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」、指定地域密着型サービス基準第90条、厚生労働省「宿泊サービスの指針」

デイサービスの宿泊サービスは、介護保険の外で事業所が独自に行う事業で、緊急時や短い期間の利用に限って提供するものとされています。

施設に夜間の職員配置が求められていても、応募する本人が夜勤に入るとは限らないので、本人の夜勤の有無と回数は応募先の求人票と勤務条件で見ます。

夜勤を避けたい人や土日休みを希望する人は、次の見出しで探し方を確かめてください。

夜勤なし・土日休みを希望するときの探し方

夜勤なし・土日休みの希望は、求人の検索条件で絞ったあとに、個別の求人票の勤務時間・休日の欄と、面接で聞く勤務表の実際で見ていきます。

私は、検索で絞れた求人でも、勤務と休日の項目を求人票・面接の回答・採用時の書面で比べることを勧めます。

休日は、聞き方を分けておくと答えのずれが減ります。面接では次の3つを分けて聞きます。

  • 固定休か希望休か
  • 土日のどちらか一方だけか、両方か
  • 土日に休めるのは月に何回までか

勤務表の実際は事業所ごとに違うので、検索条件に合った求人でも、面接で同じ3つを聞いてから応募先を決めます。

介護福祉士の筆者が求人サイトで自分で探した経験

ここからは、筆者の体験です。求人サイトで自分で求人を探したときのことを書きます。

筆者が求人サイトで感じた、自分のペースで探せる良さと絞り込みの手間

私は2018年の転職で、求人サイトを使って自分で求人を探しました。地域や条件で絞り込んで、気になる求人は給与・休日・勤務形態などを見比べました。応募も求人サイトから自分で行い、そこから転職先が決まりました。

求人サイトは、自分のペースで探せました。一方で、求人の数が多く、自分の条件に合うものへ絞り込むのは少し手間でした。

基本給と手当の内訳は、求人ページだけでは分かりにくいと感じました。自分のペースで探せる良さと、内訳の分かりにくさの両方があったというのが、私が求人サイトを使った実感です。

求人ページで分からなかったことは面接と見学で確かめた

残業やシフト、職場の雰囲気は、面接や職場見学で確かめました。こうした職場の実態は、求人ページでは分かりませんでした。

私の経験から言えるのは、求人ページだけでは職場の実態が分かりにくい場合があり、面接や見学で確かめる価値があるということです。次の見出しでは、応募から内定までの間に何を聞き、何を比べるかを順に書きます。

応募から内定までに面接と採用時の書面で仕事内容・勤務・給与を確かめる

応募から内定までの間に、面接で聞いた回答と採用時に受け取る書面の内容が、求人票と一致しているかを比べます。項目は、仕事内容・勤務・休日・給与にそろえます。

下の3つの見出しで、面接・採用時の書面・処遇改善加算の配分の順に書きます。

面接では仕事内容・勤務・休日・給与を同じ項目で聞く

面接では、求人票で読んだ仕事内容・勤務・休日・給与を、同じ項目のまま質問し、回答を書き留めます。私は、聞く項目を次のように決めておくことを勧めます。

  • 担当する仕事の内容
  • 夜勤の有無と回数
  • シフトの組み方
  • 休日(固定休か希望休か)
  • 基本給と手当の内訳
  • 賞与の計算方法
  • 処遇改善加算の分の支給の形

求人票と同じ項目で書き留めておけば、内定後に受け取る書面とも同じ並びで比べられます。回答を書き留めたメモが、次の見出しの照らし合わせの材料になります。

内定後に採用時の書面(労働条件通知書・雇用契約書)を求人票・面接の回答と照らし合わせる

求人票と、採用時に受け取る書面(労働条件通知書・雇用契約書)は別のものです。ハローワークインターネットサービスの求人情報の見方でも、求人票は雇用契約書ではなく、採用時には書面で労働条件の明示を受けるよう説明しています。

労働基準法第15条は、使用者が労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。労働基準法施行規則第5条により、そのうち次のような事項は原則として書面で示されます。

  • 労働契約の期間
  • 契約を更新する場合の基準(期間の定めのある契約の場合)
  • 就業の場所と従事する業務(変更の範囲を含む)
  • 始業と終業の時刻、残業の有無、休憩、休日、休暇
  • 賃金の決め方・計算と支払いの方法、締め切りと支払いの時期
  • 退職に関すること

就業の場所と業務の変更の範囲は、2024年4月から明示する事項に加わりました(出典:労働基準法施行規則第5条、厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」(2026年10月12日確認))。賞与は書面で示すことが求められる事項に含まれていないので、計算方法は面接で聞いておきます。

照らし合わせは法律上の義務ではなく、自分を守るための手順です。求人票・面接の回答・採用時の書面で見る箇所を、次の表に項目ごとにまとめました。3つの欄の内容を同じ行に並べて比べます。

項目求人票面接の回答採用時の書面
仕事内容募集職種と業務内容の記載担当する業務と受け持つ利用者の数従事する業務と変更の範囲
就業場所勤務地の記載配属先と異動の有無就業の場所と変更の範囲
労働時間・夜勤勤務時間と夜勤の有無夜勤の月の回数と残業の実際始業・終業の時刻、残業の有無、休憩
休日年間休日と休日の決め方希望休の出し方と有給休暇の取り方休日と休暇
賃金の内訳基本給と各手当の額処遇改善加算の分の支給の形と賞与の計算方法賃金の決め方・計算と支払いの方法

3つの欄で違いがあれば、入職する前に事業所に問い合わせます。採用時の書面の内容が法律に照らして問題ないかの判断に迷うときは、労働基準監督署などの窓口に相談できます。

処遇改善加算の分が基本給と手当のどちらで支給されるかは入職前に聞いておく

加算の配分は、聞かなければ分からないままになります。筆者の見解として、確かめるなら在職中より入職前のほうがよいと考えています。

職場を選ぶ前の段階で聞いておけば、その答えを応募先を選ぶ材料にできます。

転職先を見るときは、加算の区分が上かどうかよりも、配分について職員に説明する姿勢があるかを見るほうが役に立つと私は考えています。聞く項目は次の2つに絞ります。

  • 加算の分が基本給と手当のどちらで支給されるか
  • 配分のルールについて説明があるか

在職中に転職活動を進める順番

在籍したまま進めるときは、条件の整理・求人探し・応募・面接と見学・採用時の書面の確認・退職の申し出・入職の順に進めます。筆者の見解として、どの段階でも仕事内容・勤務・休日・給与の項目をそろえて比べることを勧めます。

退職を申し出る時期は、雇用契約に期間の定めがあるかどうか、法律の決まり、今の職場の就業規則の手続きを合わせて確かめます。詳しくは後半の「退職を伝える前に雇用契約と就業規則を確認する」で書きます。

条件の整理から退職を伝えて入職するまでの全体の流れ

転職の流れを、条件の整理から入職まで8つの段階に分けました。

  1. 変えたい条件を書き出す
  2. 求人の探し方を選ぶ
  3. 求人票を読み分けて応募先を絞る
  4. 応募する
  5. 面接と見学で同じ項目を聞く
  6. 内定後に採用時の書面を照らし合わせる
  7. 退職を伝え、引き継ぎをする
  8. 入職する

1と3は、記事の前半にある変えたい条件の書き出しと早見表、給与の内訳の見出しを読み返します。2は探し方の比較表、5は面接で聞く項目の一覧に戻ります。

6は採用時の書面の照らし合わせの表を使い、7は次の見出しで退職を伝える前に見ておくことを読みます。どの段階でも4つの項目をそろえておくと、前の段階で書き留めたこととそのまま比べられます。

退職を伝える前に雇用契約と就業規則を確認する

まず雇用契約の書面で、契約期間の定めがあるかどうかを見ます。あわせて、就業規則に退職の申し出の時期や手続きが書かれていないかを確かめます。

民法第627条は、期間の定めのない雇用では、当事者はいつでも解約を申し入れることができ、申し入れの日から2週間で雇用が終わると定めています。期間の定めのある雇用(有期契約)では、やむを得ない事由がある場合の解除を定めた民法第628条などが関わり、扱いが異なるので、雇用契約の書面で契約期間を見てから動きます(出典:民法第627条・第628条(2026年10月12日確認))。

就業規則に書かれた申し出の期間について、茨城労働局のよくある質問は、民法の2週間の決まりを説明したうえで、その期間が著しく長くなければ、トラブルを避けるためにまず就業規則に沿って申し出るほうがよいと案内しています(出典:茨城労働局「よくあるご質問」(2026年10月12日確認))。同じページには月給制についての記述もありますが、現行の民法第627条第2項は、使用者からの解約の申し入れについての定めです。個別の事情で迷うときは、次の相談先を使います。

判断に迷うときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーに相談できます。全国の労働局や労働基準監督署の中などにあり、予約は要らず無料で、専門の相談員が面談か電話で対応します(出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(2026年10月12日確認))。

よくある質問

本文で答えきれなかった質問に、1問ずつ短く答えます。

転職エージェントに登録したら、必ず転職しなければいけませんか?

転職の義務があるかどうかは、各サービスの利用規約やよくある質問で確かめます。例えばかいご畑は、公式のよくある質問で、相談だけの利用もできると案内しています(出典:かいご畑「よくあるご質問」(2026年10月12日確認))。

1つのサービスの案内が、すべてのサービスに当てはまるわけではありません。登録後に利用をやめたいときは、連絡方法を変えてほしいのか、利用そのものをやめたいのかを分けて伝えます(次の質問と同じ考え方です)。

介護職は転職しやすい仕事ですか?

介護関係の職種は、令和7年3月までのデータでは、求職者1人あたりの求人の数が全職業より多い水準で推移しています。厚生労働省の資料「介護人材確保の現状について」によると、職業安定業務統計の介護関係職種の有効求人倍率は令和7年3月で3.97倍、全職業は1.16倍です(出典:厚生労働省「介護人材確保の現状について」(令和7年5月9日、社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 資料5)p.6〜7(2026年10月12日確認))。

ここでの介護関係職種は、介護サービス職業従事者や福祉施設指導専門員などを合わせた範囲で、パートタイムを含みます。求人の多さと、自分の条件に合う職場へ移れるかどうかは分けて考え、最初の見出しに戻って変えたい条件を決めてから探します。

40代・50代からでも介護職の転職はできますか?

募集と採用では、年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが、労働施策総合推進法第9条で事業主に求められています。年齢を条件にできるのは、定年の年齢を下回る人を期間の定めのない雇用で募集する場合など、同法の施行規則が定める例外に限られます(出典:労働施策総合推進法第9条(2026年10月12日確認))。

求人票に年齢の条件が書かれている場合は、どの例外に当たるのかを見ます。採否は事業所ごとに判断されるので、年齢よりも、これまでの経験と変えたい条件を面接で伝えられるように準備しておきます。

転職エージェントからの連絡が多いときはどうすればいいですか?

連絡の方法や回数を変えてほしいのか、サービスの利用そのものをやめたいのかを分けて伝えます。筆者の見解として、この2つは分けて伝えるほうが、望む対応が相手に伝わりやすいと考えています。

伝える先は、サービスのヘルプや問い合わせの窓口です。いつまでに連絡が止まるかはサービスの対応によるので、ここでは約束できません。

口コミの評判はどこまで参考にしていいですか?

口コミは、公式のサービス条件と分けて読みます。筆者の見解として、書いた人の地域・時期・希望条件が分からない口コミだけで、サービス全体を評価しないことを勧めます。

口コミは、公式の記載を読み直すきっかけとして使います。

まとめ|変えたい条件を決め、書面で確かめてから転職する

転職で確かめることを、順番に振り返ります。

まとめ
  • 変えたい条件を、給与・夜勤やシフト・休日・仕事内容・職場の雰囲気に分けて書き出す
  • 給与は内訳で、勤務と休日は勤務表で見る
  • 自分の進め方に合う探し方を選ぶ
  • 面接で同じ項目を聞き、採用時の書面で照らし合わせる
  • 処遇改善加算の分の支給の形は入職前に聞く

条件と確かめる項目が決まったら、「求人サイト・転職エージェント・ハローワークでの探し方」の比較表で自分に合う探し方を選び、求人を探し始めます。