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介護転職

介護の派遣で働く前に|直接雇用との違いと確認項目

執筆・監修:(運営者・介護福祉士)
介護の派遣で働く前に|直接雇用との違いと確認項目

「夜勤明けにスマホで求人を眺めていて、派遣の求人の「日勤のみ」「週3日から」の文字に手が止まる。」

派遣は、雇用契約を結んで給与を払うのが派遣会社、毎日の仕事の指示を出すのが派遣先の施設と分かれ、雇用期間や同じ職場で働ける期間に決まりがある働き方です。

勤務日数や時間帯を優先したい人には選択肢になり、同じ職場で役割を広げたい人は直接雇用の求人も並べて比べると判断しやすくなります。

一方で、「派遣はやめたほうがいい」という声も耳に入り、誰にも相談できないまま応募の手前で止まっている人もいると思います。

決める前にやることは1つで、雇用期間の定め・担当業務・勤務時間と休日・時給の内訳を、求人票と派遣会社の説明と就業前の書面の3つで照らし合わせることです。

この記事は、介護福祉士として転職したときに、職場の実態を面接と見学で確かめてきた立場から書いています。

派遣では面接の場が限られるため、その代わりに何をどこで確かめればよいかを、派遣会社への質問と契約前の書面の見方まで含めて解説します。

介護の派遣と直接雇用の違い|雇用主・期間・面接の早見表

派遣と直接雇用のいちばん大きな違いは、雇用契約を結ぶ相手と、仕事の指示を出す相手が分かれるかどうかです。派遣はさらに、雇用期間の定めがある有期雇用派遣、定めのない無期雇用派遣、派遣先での直接雇用を予定した紹介予定派遣に分かれます。

下の表は、3つの派遣と直接雇用を、雇い主・働ける期間・面接の扱いで比べたものです。自分が気にしている点がどの行にあるかを見ると、どの働き方を探すかの見当がつきます。

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比べる点有期雇用派遣無期雇用派遣紹介予定派遣直接雇用(正職員・パート)
雇用契約を結ぶ相手派遣会社派遣会社派遣期間中は派遣会社施設・事業所
給与を払う相手派遣会社派遣会社派遣期間中は派遣会社施設・事業所
仕事の指示を出す相手派遣先派遣先派遣先施設・事業所
勤務条件の相談先派遣会社派遣会社派遣会社施設・事業所
雇用期間の定めありなし求人ごとに違う契約ごとに違う(一般的な説明)
同じ職場で働ける期間同じ組織単位で3年まで期間の上限の対象外同じ派遣先での派遣は6か月まで派遣の期間制限の対象外
就業前の面接派遣先は行わないこととされている派遣先は行わないこととされている認められている一般に施設の採用面接がある
出典:労働者派遣法、労働者派遣法施行令、派遣先が講ずべき措置に関する指針

表の直接雇用の列は、一般的な場合を示しています。紹介予定派遣は、直接雇用が約束された形ではない点に注意が要ります。

雇用契約は派遣会社と結び、仕事の指示は派遣先から受ける

派遣で働くときの雇い主は派遣会社で、毎日の仕事の指示は派遣先の施設から受けます。

労働者派遣法は、労働者派遣を、自分が雇う労働者を雇用関係はそのままにして、他人の指揮命令を受けてその他人のために働かせることと定めています。給与も、派遣先ではなく派遣会社から支払われます。

勤務条件を変えたいときや困りごとがあるときは、まず派遣会社に相談します。派遣会社は派遣元責任者を、派遣先は派遣先責任者を選ぶことが法律で決められていて、どちらも派遣で働く人からの苦情の処理に当たります。

派遣先の職員から、契約にない仕事を頼まれる場面もあるかもしれません。

派遣会社と派遣先が結ぶ契約には担当する業務の内容が定められていて、国の指針では、派遣先は契約に反する指示をしないよう、指示を出す立場の人を指導することとされています。

自分の担当業務がどこまでかは、就業前の書面の業務の欄で確かめられます。

有期雇用派遣・無期雇用派遣・紹介予定派遣の見分け方

有期雇用派遣か無期雇用派遣かは、求人票の雇用形態欄で見分けます。

ハローワークの求人情報の見方では、期間を定めて雇われる派遣を「有期雇用派遣」、期間を定めないで雇われる派遣を「無期雇用派遣」と区別していて、パートタイムなら「有期雇用派遣パート」「無期雇用派遣パート」と書かれます。

厚生労働省の派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針でも、無期雇用派遣の募集では「無期雇用派遣」という言葉を使うなどして、無期の募集だと分かるようにすることとされています。

2つの違いがはっきり出るのは、派遣先での仕事が終わったときです。

同じ指針では、無期雇用派遣の人を派遣が終わったことだけを理由に解雇してはならず、有期雇用派遣の人も、派遣会社との雇用契約が続いている間は同じ扱いとされています。

無期雇用派遣は、後で説明する同じ職場で働ける期間の上限の対象外にもなります。

紹介予定派遣は、派遣期間のあとに派遣先へ直接雇用されることを予定した派遣です。同じ派遣先での派遣は6か月までとされ、派遣先が就業前に面接などで人を選ぶことも認められています。

派遣先が雇わなかった場合は、本人が求めれば、その理由が書面などで示されます。

求人票で雇用形態が分からないときは、派遣会社に聞いて、雇い入れの前に書面でも示してもらいます。

派遣会社は、派遣労働者として雇い入れるときに、その旨を前もって示すことになっていて、紹介予定派遣ならそのことも含めて示します。

派遣で同じ職場に続けて働ける期間の上限と、上限の対象外になる場合

派遣で同じ職場に続けて働ける期間は、原則3年までです。決まりは2つあり、1つは派遣先の事業所ごとの上限、もう1つは同じ人が同じ組織単位で働ける上限です。

派遣先の事業所ごとの3年は、派遣先が職員の過半数で作る労働組合などの意見を聴いたうえで延ばせます。延ばした場合でも、同じ人が同じ組織単位で働けるのは3年までです。組織単位は課やグループなどを指し、国の指針では名前ではなく実態で判断することとされています。

派遣と派遣の間が3か月を超えなければ、続けて受け入れているものとみなされます。上限の対象外になる主な場合は次のとおりです。

  • 無期雇用派遣
  • 厚生労働省令で定める、雇用の確保が特に難しい人
  • 期間が決まった事業の開始・廃止などの業務
  • 派遣先の職員より月の勤務日数がかなり少ない業務(国が定める日数以下)
  • 産休・育児休業・介護休業をとる職員の代わり

同じ職場で長く働きたい人は、期間の終わりに何が選べるかを、就業前に派遣会社へ聞いておきます。

派遣会社には、同じ組織単位で3年働く見込みがあるなど、厚生労働省令で定める要件に当たる有期雇用派遣の人に対し、派遣先への直接雇用の依頼、新しい派遣先の提供、派遣以外の無期雇用の機会の提供などのいずれかを講じる義務があります。

1年以上働く見込みがあるなどの要件に当たる人には、同じ措置に努めることになっています。

「介護の派遣はやめたほうがいい」は本当か|契約と職場の違いに分けて考える

ここからは筆者の見解です。「派遣はやめたほうがいい」と言われる理由は、契約や制度で決まることと、派遣会社や派遣先ごとに違うことに分けると、何を確かめれば判断できるかが見えてきます。

よく挙がる理由は、以下のの5つです。

  • 契約が切れる
  • 賞与や退職金が出ない
  • 派遣先での人間関係
  • 役職につきにくい
  • 時給の割に収入が安定しない

新しい職場で自分だけ立場が違うことに、「派遣は嫌われるのでは」と身構えてしまう人もいると思います。

下の表は、5つの理由ごとに、制度で決まっている部分と職場ごとに違う部分を分け、どこで確かめられるかを並べたものです。

制度の部分は書面と派遣会社の説明で、職場ごとの部分は見学と質問で、ある程度までは働く前に確かめられます。

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言われる理由契約や制度で決まること派遣会社・派遣先ごとに違うこと確かめる方法と該当する節
契約が切れる・同じ組織単位で働ける期間は3年まで
・無期雇用派遣は上限の対象外
・次の派遣先の紹介の有無
・更新の連絡の時期
・派遣会社に聞く
・期間の上限の節と更新の節
賞与と退職金・待遇の決め方は2つの方式のどちらか・どちらの方式か
・賞与の扱い
・派遣会社に説明を求める
・よくある質問
人間関係・派遣会社と派遣先の責任者が苦情の処理に当たる・職員の人数と動き
・職場の雰囲気
・見学と派遣会社への質問
・面接と見学の節
役職につきにくい・紹介予定派遣や直接雇用への切り替えの道がある・任される業務の範囲・書面の担当業務の欄
・よくある質問
収入が安定しない・派遣会社は賃金の見込みを説明する・勤務日数と時間
・交通費の扱い
・時給の内訳を聞く
・時給の決まり方の節

人間関係のように職場ごとに違う部分は、見学や質問でも全部は分かりません。それでも、困ったときに誰に伝えるかを決めておけば、働き始めてからの不安は小さくできます。

口コミを見るときは、公式に書かれた条件と口コミを区別し、条件が分からない口コミだけで全体を評価しないことが大切だと考えています。

いつ、どの派遣会社で、どの施設に派遣された人の話かが分からない口コミは、派遣という働き方全体の判断材料にはなりません。

私の答えは、やめるかどうかを先に決めず、自分が何を優先して働きたいかから考えることです。次の節で、優先したい条件ごとに確かめる項目を並べました。

勤務日数・日勤のみ・時給など、優先したい条件ごとに派遣で確認する項目

ここも筆者の見解です。派遣が合うかどうかは、性格よりも、何を優先して働きたいかで変わります。

下の表は、優先したい条件ごとに、派遣と直接雇用のどちらを先に探すかの目安と、求人票・派遣会社・就業前の書面のそれぞれで何を見るかをまとめたものです。

「派遣と正社員のどちらがよいか」で迷っている人は、自分がいちばん譲れない条件の行を見てください。

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優先したい条件先に探す働き方(筆者の見解)求人票で見る欄派遣会社に聞くこと就業前の書面で確かめること
勤務日数・曜日派遣から探す就業時間・休日日数と曜日を固定できるか派遣就業をする日
日勤のみ派遣と直接雇用を並べる就業時間・休日夜勤や早番・遅番の有無始業・終業の時刻と休憩
時給月の収入に直して両方を比べる賃金・通勤手当賃金の見込みと交通費の扱い賃金と通勤手当
給与の支払い時期派遣会社の制度で選ぶ賃金日払い・週払いの制度と利用条件賃金の支払いの条件
同じ職場で長く働く直接雇用から探す雇用形態期間の終わりに選べること同じ職場で働ける期間の区切りの日
職場を見てから決める紹介予定派遣か直接雇用雇用形態見学の希望を伝えられるか担当業務と就業場所

日払い・週払いの有無や利用の条件は、派遣会社によって違うことがあります。使いたい人は、その派遣会社が公式に示している条件で比べてください。

照らし合わせるときは、仕事内容・勤務・休日・給与の4つに分けて、求人票、派遣会社の説明、就業前の書面を比べます。直接雇用なら面接での回答が入るところに、派遣では派遣会社の説明が入ると考えると分かりやすくなります。

同じ職場で役割を広げたい人や、職場を見てから決めたい人は、派遣の求人だけでなく直接雇用の求人も並べてください。

派遣は就業前の面接が限られる|職場の実態は見学と派遣会社への質問で補う

派遣では、働く人を選ぶのは派遣会社で、派遣先が面接などで人を選ぶことは避けることとされています。

労働者派遣法は、紹介予定派遣を除き、派遣先が派遣で働く人を特定する目的の行為をしないよう努めることを定め、厚生労働省の派遣先が講ずべき措置に関する指針は、派遣の前の面接や履歴書を送らせることなどを行わないこととしています。

派遣先の面接が無いことは、職場の様子を就業前に確かめる機会が少ないということでもあります。

ただし、本人が自分の判断で就業前に事業所を訪問することは、この行為には当たらないとされています。

派遣先や派遣会社のほうから訪問を求めることはしないこととされているため、見学したいときは、自分から派遣会社に希望を伝えることになります。

職場を見てから決めたい人は、就業前の面接などが認められている紹介予定派遣の求人かどうかを、派遣会社に確かめてください。

介護福祉士の筆者は、直接雇用の転職で残業やシフト、職場の雰囲気を面接と職場見学で確かめた

私は2018年の転職で、求人サイトを使って自分で求人を探しました。求人サイトは、自分のペースで探せました。

地域や条件で絞り込んで、気になる求人を見比べました。求人の数が多く、自分の条件に合うものへ絞り込むのは少し手間でした。

基本給と手当の内訳は、求人ページだけでは分かりにくいと感じました。残業やシフト、職場の雰囲気は、面接や職場見学で確かめました。応募も求人サイトから自分で行い、そこから転職先が決まりました。

派遣では、この面接の場が限られます。同じことを確かめるには、見学と派遣会社への質問という別の手段を用意しておく必要があります。

職場見学で見ること、派遣会社に聞くこと

筆者の見解として、見学と派遣会社への質問は、仕事内容・勤務・休日・給与の4つに分けて準備しておくと、聞き漏れが減ります。見学ができるかどうかは派遣先と派遣会社によるため、見学できなかった項目は質問で補います。

見学で見ることは次の3つです。

  • 担当する業務の流れ
  • 職員の人数と動き
  • 休憩の取り方

派遣会社に聞くことは、4つの分け方で次のように並べます。

  • 担当業務の範囲(仕事内容)
  • 夜勤や入浴介助の有無(仕事内容)
  • 指示を出す人(仕事内容)
  • 残業の扱い(勤務)
  • 休みの取り方(休日)
  • 時給に含まれるもの(給与)

聞いた答えは、メモに残して就業前の書面と照らし合わせます。口頭の説明と書面が違っていたら、働き始める前に派遣会社へ確かめます。

契約前に書面で見る項目|担当業務・勤務時間・時給・更新

派遣で働く前には、派遣会社から雇用の条件と派遣先での就業条件が示されます。

労働基準法第15条は、使用者が労働契約を結ぶときに賃金、労働時間その他の労働条件を示すことを定めていて、派遣で働く人の使用者は雇い主の派遣会社です。

労働者派遣法はそれに加えて、雇い入れるときに派遣で働く人向けの労働条件を文書の交付などで示すことと、派遣する前に派遣先での就業条件を示すことを定めています。

ハローワークの求人情報の見方によると、求人票は雇用契約書ではありません。下の表は、主な項目を求人票・派遣会社の説明・就業前の書面のどこで見るかを並べたものです。

3つの列で食い違う行があれば、働き始める前に派遣会社に確かめる項目です。

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項目求人票派遣会社の説明就業前の書面
担当業務仕事内容担当業務の範囲従事する業務の内容
就業場所就業場所派遣先の施設名と場所就業の場所と組織単位
指示を出す人欄が無い現場で指示を出す人指揮命令者
派遣期間雇用形態派遣期間と更新の見込み派遣の期間と働ける期間の区切りの日
勤務時間と休憩就業時間早番・遅番・夜勤の有無始業・終業の時刻と休憩時間
休日休日休みの取り方派遣就業をする日
時給と交通費賃金・通勤手当賃金の見込みと交通費の扱い賃金と通勤手当
更新の扱い雇用形態更新の連絡の時期更新の上限の有無と内容
出典:労働者派遣法、2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました(リーフレット)

指示を出す人のように求人票に欄が無い項目は、派遣会社の説明と書面の2つで照らし合わせます。

派遣先での働き方を示す就業条件明示書と、雇用の条件を示す労働条件通知書で見る欄

派遣で働く前に受け取る書面は、派遣会社に雇われる条件を示すものと、派遣先での働き方を示すものに分かれます。この記事では、前者を労働条件通知書、後者を就業条件明示書と呼びます。

雇用の条件を示す書面には、労働基準法第15条で示すことになっている賃金や労働時間などの労働条件と、労働者派遣法で加わる事項が書かれます。

賃金や労働時間などは、厚生労働省令で定める方法で示すこととされています。2024年4月からは、すべての労働契約で就業場所と業務の変更の範囲を示すことになり、有期の契約では更新の上限の有無と内容も示すことになりました。

派遣先での働き方を示す書面は、厚生労働省の指針で「モデル就業条件明示書」の活用が挙げられているものです。

労働者派遣法では、派遣する前に、派遣先での就業条件として次の項目などを示すことになっています。

  • 従事する業務の内容
  • 就業の場所と組織単位
  • 指示を出す人
  • 派遣の期間と就業する日
  • 始業・終業の時刻と休憩時間
  • 苦情の処理に関すること
  • 同じ職場で働ける期間の区切りの日

求人票と書面で違う点があれば、署名の前か働き始める前に、派遣会社に理由を聞いてください。派遣会社は、雇用しようとする人に賃金の見込みなどの待遇を説明することになっているため、聞いてよい内容です。

派遣の時給の決まり方と、交通費や処遇改善加算が自分の時給にどう関わるか

派遣の時給などの待遇は、派遣先の職員との均等・均衡で決める方式か、派遣会社の労使協定で決める方式のどちらかで決まります。派遣先の職員と比べる方式では、基本給や賞与などの待遇ごとに、派遣先の通常の職員と不合理な差を設けてはならないとされています。労使協定の方式では、賃金は同じ種類の業務をする一般の労働者の平均的な賃金と同等以上になる決め方を、協定で定めます。

派遣会社には、雇い入れる前に賃金の見込みなどの待遇を説明すること、雇い入れるときにどちらの方式でどんな措置をとるかを説明することが定められています。働き始めた後でも、本人が求めれば、比べる相手の職員との待遇の違いとその理由の説明を受けられ、求めたことを理由に不利な扱いをすることは禁じられています。交通費が時給と別に出るかどうかも、求人票の通勤手当の欄と派遣会社の説明で確かめます。

処遇改善加算については、厚生労働省の介護職員等処遇改善加算に関するQ&Aで、派遣で働く人も加算の対象にできるとされています。その場合、施設は賃金改善の方法などを派遣会社と相談し、加算を元にした派遣料の上乗せが、派遣会社から払われる給与に上乗せされるよう協議することとされています。

自分の時給にどう反映されているかは、派遣会社に聞く項目です。加算の仕組みそのものは処遇改善加算は給料にどう反映されるのか|介護福祉士が制度と現場から解説で説明しています。

契約の更新・終了と、派遣先が合わないときの相談先

派遣では、派遣会社と結ぶ雇用契約と、派遣会社と派遣先が結ぶ派遣契約の2つに、それぞれ期間があります。どちらが終わるかで扱いが変わるため、下の2つの節で分けて説明します。困りごとの相談先は、派遣会社の担当者と、派遣会社の派遣元責任者、派遣先の派遣先責任者です。

更新の有無が伝えられる時期と、更新されないときの扱い

派遣会社との有期の雇用契約は、何もしなくても自動で更新されるとは限りません。厚生労働省の有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準では、3回以上更新しているか、雇い入れから1年を超えて続けて働いている人の契約を更新しないときは、あらかじめ更新しないと示されていた場合を除き、契約が終わる日の少なくとも30日前までに予告することとされています。この場合に更新しない理由の証明書を求めれば、遅滞なく交付されます。

派遣会社と派遣先の派遣契約が途中で終わる場合は、扱いが別です。派遣先の都合で解除するときは、派遣先が新しい就業の機会の確保や休業手当などの費用の負担をすることになっています。派遣会社も、他の派遣先の確保などで新しい就業の機会を探し、見つからなければまず休業などで雇用を続け、休業手当の支払いなどの責任を果たすこととされています。

2つの場合ごとに、派遣会社へ確かめることは次のとおりです。

  • 更新の連絡が来る時期(雇用契約の終わり)
  • 更新の上限の有無(雇用契約の終わり)
  • 次の就業先の案内(派遣契約の途中終了)
  • 休業になったときの扱い(派遣契約の途中終了)

更新を望むなら、早めに派遣会社へ伝えておきます。更新の連絡がいつ来るのかは、就業前に聞いておくと安心です。

派遣先での相談か、派遣先の変更か、派遣会社をやめるかで伝える相手を分ける

筆者の見解として、派遣先が合わないと感じたときは、伝えたいことを次の3つのどれかに分けてから連絡すると、話が行き違いにくくなります。

  • 今の派遣先での働き方の相談
  • 別の派遣先への変更
  • 派遣会社の利用をやめること

1は、派遣会社の担当者か、派遣先の派遣先責任者に伝えます。派遣先が受けた苦情は派遣会社に伝えられ、両者が連携して処理することになっていて、相談したことを理由に不利な扱いをすることは禁じられています。

2と3は、派遣会社に伝えます。この2つは伝える内容も確かめることも違うため、どちらの話なのかを最初にはっきり伝えます。対応の期限や結果は派遣会社ごとに違うので、先の見通しは派遣会社の回答を受けてから立てます。

派遣の求人を求人サイトや派遣会社で探し、同じ条件で直接雇用の求人とも比べる

筆者の見解として、派遣の求人は求人サイトや派遣会社の検索で、地域・勤務の時間帯・勤務日数・時給を指定して絞り込むところから始めることを勧めます。求人票では、雇用形態・就業場所・仕事内容・就業時間と休日・賃金と通勤手当の欄を見ます。

派遣会社を選ぶときは、求人の条件の書き方、就業前に説明を受けられる内容、困ったときの相談窓口を、公式に書かれた条件で比べます。条件の分からない口コミだけで、派遣会社の良し悪しを決めないでください。

派遣か直接雇用かを決めきれない人は、同じ条件で直接雇用の求人も並べると、時給や働ける期間の違いが比べやすくなります。条件ごとの探し方は次の記事にまとめています。

  • 介護で土日休みを希望|休日欄と勤務表の確認
  • 介護で夜勤なしの仕事|時間帯・業務・待遇を確認
  • 介護福祉士の求人|資格・業務・待遇の確認

直接雇用の求人も比べたい人は、転職サイトの比較記事で探し方を確かめてください。

介護転職サイトの比較記事

よくある質問

本文で答えきれなかった、派遣の禁止の有無・訪問介護・賞与と退職金・時給の見え方・直接雇用への切り替えの5つに短く答えます。

介護の仕事は派遣が禁止されていますか?

介護施設での介護の仕事は、法律と政令が派遣を禁止している業務の一覧には挙げられていません。厚生労働省の資料では、派遣ができない業務として主に、港湾運送業務、建設業務、警備業務、病院などでの医療関係業務が示されています。

医療関係業務には、看護師や准看護師の療養上の世話・診療の補助などが含まれ、紹介予定派遣などの例外を除き、病院・診療所、介護老人保健施設、介護医療院、医療を受ける人の居宅などで行う場合に派遣が禁止されています。介護職員が診療の補助として行う喀痰吸引なども、これらの場所で行う場合は禁止される医療関係業務に含まれるため、担当業務に含まれるかは派遣会社に確かめてください。

訪問介護の仕事も派遣で働けますか?

訪問介護での介護の仕事は、派遣を禁止している業務の一覧には挙げられていません。一方で、看護師などの医療関係業務は、医療を受ける人の居宅で行う場合も派遣が禁止されています。ただし、訪問入浴介護に関わる業務は禁止の対象から外されています。

利用者の居宅で、介護職員が診療の補助として喀痰吸引などを行う場合も、この禁止の対象に含まれます。

派遣でも賞与や退職金は出ますか?

派遣だから賞与が出ないとは決まっていません。派遣先の職員と比べて待遇を決める方式では、法律で基本給や賞与などの待遇ごとに不合理な差を設けてはならないとされており、扱いは待遇の決め方によって変わります。

自分の場合にどうなるかは、どちらの方式で待遇が決まるかとあわせて、就業前に派遣会社に説明を求めてください。退職金の扱いも同じく、雇い入れ前の説明と書面で確かめます。

派遣の時給が直接雇用のパートより高く見えるのはなぜですか?

時給の額だけを並べると、賞与・手当・交通費の扱いがそろわないためです。ハローワークの求人票でも賃金と通勤手当、昇給・賞与は別の欄に書かれていて、直接雇用のパートでは賞与や手当が時給とは別に出る場合があります。

比べるときは、時給に1日の勤務時間と月の勤務日数を掛け、交通費と手当の扱いを足し引きして、月の収入に直してから比べます。

派遣料金と賃金の関係を知りたいときは、派遣会社が公開している情報で見られます。派遣会社は、派遣料金の平均額と賃金の平均額から計算した割合(いわゆるマージン率)などを、インターネットで公開することが原則とされています。

派遣先にそのまま直接雇用してもらうことはできますか?

派遣先と本人が合意すれば、直接雇用に切り替える道はあります。労働者派遣法では、派遣会社が正当な理由なく、派遣会社との雇用関係が終わった後に派遣先に雇われることを禁じる契約を結ぶことは禁止されています。

厚生労働省令で定める要件に当たる有期雇用派遣の人には、派遣会社が派遣先へ直接雇用を依頼する措置もあります。切り替えを考え始めたら、まず派遣会社の担当者に相談します。

まとめ|雇用期間・担当業務・時給の内訳を書面でそろえてから決める

派遣か直接雇用かは、何を優先して働きたいかで決めます。派遣を選ぶなら、次の順番で確かめます。

まとめ
  • 求人票で雇用形態・仕事内容・就業時間と休日・賃金と通勤手当を見る
  • 派遣会社に担当業務・時給の内訳・期間の終わりに選べることを聞く
  • 就業前の書面で、1と2の内容が同じになっているかをそろえる

3つがそろわない項目があれば、働き始める前に派遣会社に確かめます。

直接雇用も含めて考えたい人は、介護の転職の記事で全体の進め方から見直すと選びやすくなります。

介護職の転職ガイド|求人の探し方と給与・勤務の確かめ方

本記事は情報提供を目的としたものであり、医療・法務上の助言ではありません。介護保険制度・各種加算は改定される場合があります。適用の可否は市区町村の窓口や専門職にご確認ください。